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Channel: はがき随筆・鹿児島
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古 希

2016年4月 9日 (土)    岩国市   会 員   安西詩代  69歳の誕生日を迎えた。めいが届けてくれたお祝いの包みを開けると、高野山でもらってくれたお札だ。「開運厄除 古希 安西詩代」と書いてある。  「あら、私はまだ69歳よ」  「高野山では数え年でいくので、69歳でなく70歳。古希です」...

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3人仲間

 昔から遠くの親戚より近くの他人といわれる。勤めをやめて農業していますが、作物は人手が必要で難儀します。  近くの仲間2人と4年前にコンバイン、乾燥機などを共同購入して作業しています。3人とも〝飲んごろ〟ぞろい。一人はオールビール、一人はオール焼酎で、私だけはビールも焼酎も両方OK。飲みかたはいつもありがたいと喜んでいます。...

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1本のバラ

 小さな花屋さんの前で僕たちの足が止まった。「1本だっていいのよ、女の人は喜ぶんだから」。深紅の束の中から、様子のいい1本を私は選ぶ。サービスに忘れな草もちょこんと添えられ、かわいいラッピングができた。「加藤登紀子さんも百万本だって歌ってるし1本じゃ格好悪いよな」。男として、どうもひっかかるのだ。...

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山口の実家にて

 実家にはたくさんの蔵書がある。教職にあった義兄の本に、定年を機に同居したおいの本が加わって庭に書庫を建てた。  91歳の義兄は視力が落ち、本を読む楽しみが減ったという。高校の教師だった67歳のおいは、今も物理の勉強をする。机の上に「アインシュタイン」の題名の本が4,5冊。読書好きの嫁は図書館から電話。書棚の「三太郎の日記」を手に取る。読みたい本だった。老犬のチョコが下からジッと私を見ている。...

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みんな見上げて

 40年前に家を建てたとき、父がモクレンの木を移植してくれた。そのモクレンの木は大きく見上げるばかりに。四つ五つ蕾を見つけ、毎朝見ていると少しずつふくらみ、蕾も増えている。昼ごろ花が咲いていた。少し元気がない。根方の土を起こし、油かすを入れ見上げると〝ありがとう〟と声がしたような。一人ぽっちの私、話し相手になってくださる人たちに「見て」「見て」と声も華やぐ。...

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はがき随筆3月度

 はがき随筆の3月度月間賞は次の皆さんです。(敬称略)  【優秀作】18日「脳梗塞の友」小村忍=出水市大野原町  【佳作】8日「『仮免許証』まで」萩原裕子=鹿児島市中央町 ▽12日「町工場の手業」高橋誠=鹿児島市魚見町...

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薄情な息子

 熊本地震で出水も震度4の揺れが3度起きた。我が家も大きく揺れて、母をたたき起こしたが、3度とも戸外には飛び出せなかった。  母と話し合う。出水地方で大地震が起きた場合は、逃げるのに手間ひまがかかる。母と私も犠牲になるか。それとも、母を見捨てて私だけ助かるか。...

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復活徹夜祭

 サクラソウがピンクに盛り上がり、すっくと伸びたチューリップが赤白紫、早春の風に揺れている。フリージアがほのかに匂いはじめ、復活玉子もきれいに染めあがった。  こよい「復活の聖なる徹夜祭」。どんなに待ちこがれたことか。物は使っているうちに汚れ、傷がつき、ネジがゆるむ。  復活の主は、私の心の汚れを洗い清め、傷をいやし、新しく生き直すチャンスを与えてくださる。喜び待たずにいられようか。...

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息子の転勤

 ヨルダンへの転勤が決まった息子が、準備で忙しい合間をぬって家へ顔を出した。父親に何やら署名を頼んでいる。生命保険の請求者になってもらうのだという。ヨルダンで息子夫婦に万、万が一のことがあった場合に備えてらしい。...

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500円玉のような

 車のコンソールボックスに厚手のタオルを3枚たたんで置いている。妙に安心するのだ。  昭和30年、5人兄弟の3番目、10歳の私は風呂当番だった。長兄は大学生で不在、次兄は水俣高校の汽車通生で父も帰宅が遅い。病弱の母の言いつけで夕食の材料を買ってくると、弟たちと共に風呂を沸かす。ポンプを突きバケツで運び五右衛門風呂に水を張る。製材所からリヤカーで運んだ背板をたく。...

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偽パスポート

 妻は運転免許証を持っていないため、公的機関での書類申請時の本人確認が煩わしかった。そのこともあって昨年、10年パスポートを入手した。  今年初め妻の誕生祝いに、青空と、いわし雲が描かれているビニールカバーを贈った。赤い旅券にかぶせると、葛飾北斎の通称・赤富士の絵柄になる。...

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作戦勝ち

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菜の花

2016年4月24日 (日) 岩国市  会 員   上田 孝 1週間ほど家を空けて帰った時、庭のプランターに菜の花が咲き誇っていた。「あの小松菜が?」。菜の花というのはアブラナの別称だと思っていたが、小松菜も花が咲けば菜の花になることを今回初めて知った。...

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朝と昼楽しんで計1万歩

2016年4月25日 (月) 岩国市  会 員   林 治子  月に1度通う病院で、主治医は、私が毎日つけている血圧手帳を見て問診を始める。「毎日歩いているようですね」。うなずく私を見て、「この調子でしっかり歩いてください」。先生の言葉がまた励みになる。...

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夢のような話

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二人三脚

 NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」が面白い。風来坊の叔父さんのせいで姉妹は町内運動会に出場する。二人三脚で3位になり、米5升を獲得する。  私も新入社員で業界の運動会に二人三脚で出場した。「田中君、ヨーイで飛び出そう」とM課長がささやいた。いち早く走り出した私たちを見て、慌てた何組かが次々ところんだので、難なく1位でゴールインできた。...

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孫台風

 「ばあちゃんはどこに行ってたの~」と、お気に入りのミニカー持参でやって来た。彼は4歳。隣に住む息子夫婦の次男坊。疲れ知らずだ。  「タイヨーに行ったの?」「だいわに行ったの?」とたたみかける。「ごめん、ごめん、Tクンが待っていると思って急いで帰って来たのよ」とオーバー気味にハグする。彼は満面の笑みで大照れ。...

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70歳スタート

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宝もの

 日曜日の昼食時は「なんでも鑑定団」を見る。我が家は骨董品に縁がなく、見た目より高値や、思ったより安値の鑑定に一喜一憂して楽しんでいる。  将来、鑑定される物を見つけて、子や孫に残せればと思う時分に、2月26日の当新聞の「余録」の末尾に2月25日との記載に気付く。この欄の日付違いはまれであり、わが家の宝物にしようと妻に問う。妻は「姉弟、子や孫という宝がある」と壁や棚に飾ってある写真を見る。...

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シグナル黄点滅

2016年5月 3日 (火) 岩国市  会 員   森重 和枝 今日も買い物から帰り、片付けようと戸棚を開け「あっ!」。補完したつもりのマヨネーズがある。カレールーも2箱目。 スーパーの特売日には、まとめ買いをするが、この頃は買い置きする商品の重なることが多くなった。同一じ物が並ぶ度に、またやったと落ち込む。...

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