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Channel: はがき随筆・鹿児島
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忘れ得ぬ人

 50年ほど前になるだろうか。  狭い田舎道でバス同士が鉢合わせしてしまった。女声乗務員が笛で誘導、バックして無事にすれ違うことができた。  その直後、美しい小浮いょ目にした。   運転手が女性乗務員の乗車したことを確かめてバスを発車させただけのことだけれど、彼女を気づかう彼のさりげない支線の奥にやさしさが透けて見え、「これぞ男!」と心打たれた。  男らしさは、やさしさに裏打ちされてこそ輝く。...

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うれしい雨

 雨が小降りになるのを待って、網戸をはずす。そして2枚ひと組として庭の敷石の上に、バンガローの形に建てる。再び降り出す雨にこの網戸を洗ってもらうのだ。  その間に私はサッシの溝を吹いたり、台所の片付けなどをする。つゆ時の雨は網戸をすっかりきれいにしてくれる。...

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新緑

 カモメに迎えられた復員船は新緑映える久里浜に着いた。5年にも及ぶ大陸の荒野を駆け回った思いを胸に、夢にも見た祖国の土を踏んだ。言い得ない安心感。天をつかむような解放された空気が去来する。空虚の感に浸るを覚える。...

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砂に埋もれて

 指宿温泉に1泊で出掛けた。心ウキウキで砂蒸し風呂にいったのですが……。  浴衣の上にのせられた砂があまりにも重く、そのうえ熱い。砂に埋もれた痩身をもがきながら手足を砂から出して我慢した。脱出の時がきたが、起き上がれない。砂蒸しされた身体はふにゃふにゃ。息子に手を引き上げてもらったが足元が定まらない。「だめだこりゃ」と慌てて渡された冷水を飲んだ。...

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夢見る金婚式

 「思い出の札幌」と記された、てのひらほどのホタテ貝が手元にあります。1978年5月「屯田の館」とも。新婚旅行(私28歳、妻21歳)で訪れた北海道の居酒屋の店主にプレゼントされたものです。あれから37年の年月が……。...

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野生児

 5月に小3の長女が友達の家でお泊まり会をしていただいた。そのお返しに友達に我が家の遊びに付き合ってもらった。  鹿児島市内から車でⅠ時間弱。姶良の重富海岸で、磯の生き物探し兼ピクニックだ。松原にシートを敷いて、買ってきた弁当を準備、早速観察だ。...

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はがき随筆 6月度

 はがき随筆の6月度入賞者は次の皆さんです。(敬称略) 【優秀作】14日「もってのほか」田中由利子(73)=薩摩川内市宮里町 【佳作】6日「今がベスト」永野町子(67)=鹿児島市武岡    ▼18日「枇杷の思い出」伊尻清子(65)=出水市武本 「もってのほか」...

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雨とアジサイ

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ありがとう燕

 燕はなんと6羽が誕生した。雛は大きい口を開いて餌をねだって鳴く。つがいでせっせと餌を運んでは口移しで与える。豪雨も何のその。懸命な子育てだ。雛が巣の縁から尻を出してフンをするのを目撃。可愛い。その時落下したのか2羽が消えた。4羽になった雛は見る見る間に太り大きくなって子燕へ。...

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妻を癒すアサガオ

2015年7月25日 (土)     岩国市   会 員   片山清勝  数年前の夏、体調を崩した妻が毎朝、楽しみにしたのはアサガオだった。カーテンを開け、しばらく眺めることが日課になった。花と妻が会話しているように見えた。朝顔の花が終わる頃、体調は回復した。...

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母の日記帳

 母が他界してから間もなく17年になる。この間、私にはどうしても決断できないことが一つある。それは二十数冊も遺された母の日記帖のことである。  実は七回忌法要が終わった時点で段ボール箱に入れて処分しようとしたけれども、そのとき母の日記を読んでしまった。...

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必達

 東芝の水増し会計問題で先週、歴代3社長がそろって辞任した。記者会見で現社長は「140年の歴史の中で、最大ともいえるブランドイメージの毀損があった。一朝一夕では回復できない」と述べ、事態の深刻さへの認識を示した。...

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私は留学生

 100日が過ぎた。鹿児島へ留学生として来てから。生まれて初めて両親と離れた。  父親と電話するとき「今日は寂しくなかったの?」と聞かれた。心から分かるようになった。父も5年間一人で東京で働いたとき寂しかったよね。...

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買い物メモ

2015年7月29日 (水)    岩国市   会 員   林 治子  近所のスーパーが閉店した。そんなに利用度がないと思っていたが、なくなってみると、不自由が身にしみる。ちょっと買い足したいとか、忘れた物を買わねばと走り、意外に重宝していたのだ。...

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お達者!

 「体の痛くないところはなか」。それでも笑顔。茶の間で本を読んでいたら目が見えにくいと、明るい縁側で針仕事。針の目がなかなか通らなくて……。それでは私が、と大発奮。実は心もとないのだが、がぜん張り切ってしまう。やっと2.3本通して針山にさすと「ありがとう、ありがとう」と喜ばれる。なんだろう、このパワー。気持ちまでもぐんと若返る。...

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強行採決

 昭和6年ごろから、……その前明治にもありましたが、日本は戦争に関わり、多くの犠牲者を出してやっと70年前、戦から抜け出しました。  その後戦勝国、主に米国の指導の下、現在の憲法ができ、平和に暮らしてこれました。それが、7月15日、衆議院特別委で強行採決。世界の情勢があやしくなったということで、9条の拡大解釈となりました。...

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嫁三点セット

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役立つ古本屋

 古本屋で二百円、三百円ほどの本を買う。親鸞上下、石田三成、学問のすすめなどである。古本といっても新刊同様で、たまに前購読者のラインもあるものの、読書するのに支障も生じない。新刊の定価の半値か4分の1くらいで、私にとって大いに助かっている現実がある。...

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ピザ作り

 小学生の野外での食事作りの手伝いにいった。ピザの要望があったが、問題は焼く設備。幸い手軽に焼く情報が入った。段ボールにアルミ箔を張り、手前に開き戸をつけた。中程にピザを焼く針金を通す。底は抜き、煉瓦の上に炭火を載せた。...

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僕の昭和史7

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