私のお節
昨年まで母に会いに正月には必ず帰省した妹夫婦から、「正月は福岡で迎えて、一周忌に帰るから」と連絡があった。初めての一人の正月に少し迷ったが今年もおせち料理を作ることにした。鮭の昆布巻き、数の子。レンコン、ゴボウ、鶏肉など出煮しめをこしらえ、買った蒲鉾と年末にもらった餅、黒豆、ローストビーフを合わせ、正月を料理することなく過ごした。...
View Articleインフルエンザ
ふた昔も前になるだろうか。金曜日に想い人の車に乗せてもらったとき「風邪引いたみたいで熱っぽい」と言われた。 週末、体の節々が痛くなり病院でインフルエンザと診断され、翌週2日ほど仕事を休んだ。出勤してから電話したら、先方も寝込んで同じ日に出てきたと。ウイルスをもらったらしい。薩摩半島と大隅半島で休んだ人間が2人。私は看病人もなく一人寝ていたが、それでも同時にというのがうれしくもあった。...
View Article風邪対策
テレビで見たことがあるし、医者から言われたこともある。 風邪引きのとき、いつも喉から痛みが出る私はこの予防を実行している。こまめに「お茶でうがい」をすることだ。 仏壇におさまっている両親に毎朝お茶をあげ、その後私も一服。そして、残った茶殻にお湯を注いで一日分のうがい用お茶の出来上がりだ。小さなペッボトルに入れ洗面台に置いてガラガラガラ……。結果、万病のもとと縁遠くなればしめたものだ。...
View Article消えたジャガ
本コラムに家庭菜園の極意がありました。そんないつくしみ育てられている菜園で、時折哀しい出来事がおこります。グラウンドゴルフ仲間のささやかな農園でのこと。葉繁る豊かな畝に、そっとくわを入れたとき、何か異なかんじ。思わず手を入れると、中は空っぽ。探ると育っているはずのジャガイモなし。葉をそのままに横から実を取り出し、あとに土を盛り畝を修復。まさしく「知能犯」。感服?...
View Article酒のみ酒好き
酒のことで、兄から面白い話を聞いたことがあります。 先輩Kさんは高い地位の公務員だった時、東京出張帰りに旧友、笠智衆さん宅に行き温かいもてなしを受けた。談笑の中「K君は酒好きというが酒飲みね」「なんでや」「酒は舌に乗せてから飲みますよ。君はぎゅうぎゅう」「参ったなぁ」 「酒のことまでよく勉強していたね」ということだった。...
View Article準備万端
福岡の母の所へ行くと「延命治療は望まないから」と念を押される。遺影は用意したと言うので一緒に仏壇の下を開けた。 子供各々へ宛てた手紙もある。10年以上前に書かれたらしい。封はされていない。ふざけて声に出して読む。予想通り、世話になった、夫婦仲良くとある。妹のもほぼ同じ。兄の封筒はらずかに厚い。一瞬躊躇し、これは黙読した。厳しい時代もあったが、この地で続いてきた、感謝の気持ちを忘れるな、と。...
View Article今年もよろしく
元旦、テーブルにお節を並べ、雑煮もおいしそうに出来上がり、ほかほかのご飯をと思い炊飯器のふたを開けた。湯気が立っておいしいご飯のはずが、水につかった生米状態。タイマーの設定を忘れていた。正月早々大失敗。でも、大丈夫。20分待てばおいしいご飯がちゃんと炊ける。...
View Article不満と辛抱
「辞めるな癖になる」。母の厳しい忘れられない一言だった。就職して3年近くの日、母の怒る形相を胸に押し殺し仕事先を変えたい意思を伝えた。「男たる者が……」と続いたが、頭が真っ白で後は覚えていない。 数年が流れ、「辛抱しろ」と言ってる母の姿に変わり、それが自分の不満を払拭してくれた記憶がある。現在は母に感謝している。続けた自分にも感謝だ。...
View Article帽子とウイッグ
帽子がよく似合う友がいる。彼女とは長年のお付き合いで気心も知れ、気が置けない間柄だ。ある日ウイッグを買ったと帽子を取って見せてくれた。若々しく見え素敵だった。 「でもね、上手につけられないのよ」と困った口ぶり。「すぐに慣れるでしょうよ」と私。 その後、彼女はある食事会に出掛けたという。事もあろうか、帽子と一緒にウイッグがついてきたそうだ。...
View Articleこんな仕事も
友人のN君はF県警の警察官だった。 まだお互い現役のころある宴席で隣同士になったことがある。そのとき彼が「私はこれまで検視を7000体余りしました。この手で」と、両手の平をみせながら話してくれた。 他殺か自殺か、死亡原因は何か、その他死体が語りかけてくるあらゆる情報を明らかにするのが検視。「F県で殺人が疑われる事件があったら、必ず現場に呼ばれます」とも。...
View Article小さな幸せ
大晦日、息子が毎年迎えに来て、息子宅で新年を祝うのが習わしとなっていた。しかし今年は行かないと言うと嫁が「自分たちがそちらに行く」と言う。 ところが当日宮崎の孫夫婦やひ孫たちと6人でやって来た。...
View Article時の流れ
「さむなったあ。こらこんにゃ(今夜)あたり、冬将軍がくっど(来るぞ!)」「なあに、冬将軍って?」「冬の神さあの事だよ」。そう言えばこの言葉も最近聞いてないな~とついひとり言の自分がいた(笑)...
View Article鼻歌が!
外出は町で小回りが効く自転車を利用していた。だが「自転車で転んで怪我をしたら」と言う妻。面倒はかけられない。逆らわずパスを利用している。 バスの乗り換えは、便数が少なく不便だ。待つ時間を歩けが運動にもなると、自分に言い聞かせている。 懐メロや童謡を、自然に口ずさみながら、調子よくいる自分に時々気付いた。...
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