新型コロナ
新型コロナ感染がこわい。3月から自粛自制により夫婦の楽しみである温泉めぐり、旅行など皆無である。 7月後半、コロナ感染者がものすごい勢いで増加した。病気療養中の娘の通院がとても心配である。娘の家族は娘にうつしてはならぬと神経を使い、外出規制している。私も気をつけているが怖さは増している。 また、コロナの影響で老人ホームにいる99歳の母の面会ができず残念だ。人生最後の時であるこの今の母に逢いたい。...
View Articleチューベローズ
娘が私を誘い村の道の駅へ出かけた。店の外で花を抱いてきた男性が容器に入れていた。 「珍しか花ね」。娘が立ち止まって指を指した。50㌢ほどの茎の上部に紫蘭の形に似た白い花が咲き、その花の上に十数個のつぼみがついていた。 「それは何という花ですか」。娘が聞くと男性が「チューベローズです」と答えて「夕方になると強い香りを出すから、日本名は月下香。香水の原料ですよ」と説明してくれた。...
View Article艶肌美人のプレゼント
草一本取ったことのなかった娘が「初の作品」と野菜を持参した。3人の親となり、子育てに仕事にと忙しい中、3本がやっとの花壇にナス、キュウリ、トマトを植えたという。 見事な艶肌に器量良しのナス2本、傷一つない太めのキュウリ3本。「キュウリは小さいほうがおいしいよ」と言うと「我が家は人数が多いから太らせて取るの」と笑わせた。 この日は父の日。夫は「これがプレゼントかな」と笑っている。...
View Article猿害
軽トラを止めて農家の人が、猿の被害はなかったかと言われる。聞けばトウモロコシやカボチャ、ナスなど自宅用に作っていたのをごっそりやられたと。 我が家も4月初め、カボチャの苗2本を無農薬で育て、3個がなった。そろそろ収穫しようと梅雨晴れを待っていて、いざ畑に行ってみると敷きワラだけが残っていた。ナスも被害に。...
View Article感染症で思うこと
私が小学校に入学の頃、父は肺結核で長期入院中であった。その間、母は3人の子供を抱えどうして生活を支えていたのだろうか。 小学生の兄が点滴をしている記憶が残っている。兄は赤痢にかかっていたのである。当時、両親は子供に生水、生ものを口にさせなかった。 姉は幼い頃破傷風で亡くなったと聞いている。両親は姉のことを語ろうとしなかったので、詳しいことは知らない。...
View Article目覚め
毎朝5時起床の主人が「おはよう」。7時開店のコーヒー店に朝一番に行きたいのだ。週3回、「コーヒー飲みに行こう」と、元気に誘ってくれる。 夜中寝つけず、ゴロゴロ本を読んでる私は「まだ早いわー。今から寝たいのに……」。しかし、気合で起きる。車のエンジンをかけて余裕で待ってくれている主人。ちょちょっとメークしてやっと乗り込む私。...
View Articleピース
白い大きな体をゆらしてピースが走って来る。こんばんは! 夫と私に順番に体中で喜びをぶつけてくる。ピースは7歳のゴールデンレトリバー犬。金曜の夜、私たちの散歩コースにやって来る。人懐こくて賢い犬。決して吠えない。人間が大好きなので番犬にはならないとお姉さんは笑う。時には犬の苦手な人にも近づいて行ってはお叱りを受ける事もある。...
View Articleバプテスマ記念日
6月23日で、私が教会に入って30年になった。以前、別の教会に通っていたが、そこを離れていたとき、義父が末期がんで余命1カ月と告げられた。 「死んで終わりではない」という一言を、私は義父に言ってあげられなかった。 それは私の中にずっと残り、私が入る教会を祈り求めた。祈りは届き、ある夜2人の宣教師が、わが家の戸をたたいた。...
View Articleありがとう、さようなら
末の娘は、今年小学4年生になる。小さい頃から下着が小さくなったり、靴下のつま先に穴が開いてしまったるすると「ありがとう、さようなら」と言って処分させてきた。 先日、歯ブラシが交換時期になっていたので、新しいのに換えようねと言っていたのだった。「あんちゃーん、さよならしたー?」「さっき、長々とさよならしよったよー。えらいよねぇ」と母。大した事ではないが、私がほめられた気になってしまった。...
View Article猫の楽園
敷地を囲むブロック塀の上は、絶好の散歩道らしい。時々新参者の猫と古参の間で、この道の取り合いが起きる。「ミヤーン」「ギャオー」と、しばらくいさかいが続く。やがて上下関係が決まり、以後、この同士のケンカは起こらない。 物置の床下は、風通しが良く夏場の絶好の涼み場で、大の字で昼寝をしている。...
View Article黙礼
バックミラーの中に1台の軽自動車が来て止まった。助手席が開き、足元のおぼつかない老紳士が現れる。小さい歩幅で2.3歩進み、少し休み、またよちよちと駐車場からスーパーの入り口を目指す。おしゃれなハットに粋なアロハのいでたちは確か田村のおじいちゃん。耳にはいつもイヤホンをつけ、ごひいきのセリーヌ・ディオンを聴く。...
View Article母が結んでくれた縁
出会いは友人のジャズライブだった。「同郷の方だからお話が合うかと」と友人が紹介してくれたその方は、娘さんとみえていた。背がすらりと高く、90歳を超しておられるとは思えないお話ぶりで、ライブが始まる前のひととき、故郷のあの人この人に話が弾んだ。「小学校の時の担任は福山ルイ先生という方で……」「あ、それ私の母です」。驚きで絶句された。翌日「昨夜は興奮して眠れませんでした」との電話をいただいた。...
View Article砂上のダム
勝手口の扉を開け、家の前の道路を見る。雨が激しくなると水路からあふれた雨水が川のように流れる。 小さいころ、この道路は砂地だった。磁石で砂鉄を集めたり、城を作ったりして遊んだ。一番面白かったのは、雨水が川のように流れるのを砂でダムを作ってせき止めることだった。近所のおばちゃんに「何すっとね、通れんがね」とゴジラのように無残に踏みつぶされた。...
View Article救急車から会釈
全方から赤色灯とサイレンの救急車が接近。中央線の引かれた2車線県道。普通に走っても邪魔にならない。道幅はあるしこちらの車線に曲がる様子も見えない。それでも、左側の路肩に寄せて停車。後続の10台ぐらいも止まる。すれ違いざま、隊員が手を挙げ、軽く頭を下げて通過する。寸秒を争う中での会釈、かえって恐縮。...
View Article変身
骨がダメになり使えなくなった雨傘がある。捨てようと思った……が、待てよ。気に入っていた色柄なので、この部分をカットして何かできないか。そうだ! エコバッグがいい。 切り離した8枚のうち6枚を縫い合わせると、でかい袋の出来上がりだ。残り2枚で握り手をつけて仕上げ、さらに傘を束ねる時に使う細いのまで切り離し、そのままの形を利用して開け口をとめられるようにした。...
View Article健康の森
妻はアルツハイマー症の実兄を7年余り介護して、天寿を全うさせて今はようやく自由の身になり、気軽にどこでも行ける身になった。そこで2人とも15年余り行っていない「健康の森」に出かけた。憩いの森などを散策してデート気分をも満喫した。やはり野外の空気は格別であることを妻も知ったようだ。...
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