♪夏が来れば思い出す。魚捕り。なかでも小川で竹製ざるのショケを使っての魚捕りがとっても面白かった。小川は安全で、こどもが遊ぶには最高の場所だった。水草の密集した岸辺が小魚の隠れ場所だ。1人が上流からバシャバシャと水草を勢いよく足で踏んで魚を追い出す。もう一人は岸の下流でショケを構え、一気にすくい上げる。「出てきた、出てきた、エビ、ドジョウ」「あ~、どっさい(たくさん)」とうれしかったものである。こうしてこどもたちが戯れ遊んでいた岸の多くがコンクリート化された今、そんな遊びもなくなった。 鹿児島県さつま町 小向井一成(72) 2020/9/12 毎日新聞鹿児島版掲載
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