胸のランプが
検査結果を改めて突きつけられると、ちょっと気持ちが暗くなる。見て見ぬふりをし、いいかげんな生活を送ってきたツケだ。こどもたちが独り立ちするまでは元気でいたいと願ってきた。神さまはちゃんと願いを聞き届けてくださった。...
View Article小さな庭
真夏のあの猛暑がうそのような朝夕のしのぎやすさに、四季のありがたさを感じている。 築山に2.3前にサンショウととマンリョウが生えてきたのだ。鳥のプレゼントなのか、この偶然を喜び、定着間違いなしの成長ぶりである。...
View Article三文の得
2015年10月30日 (金) 岩国市 会 員 森重 和枝 リビングに入ると、黄色の四つの実をつけたフォックスフェイスが目にとまる。朝市でみつけ、買ってみた。出荷した人が「水を入れると実が腐るからね」と親切に教えてくれる。庭の花も少ない時だし、水替え不要なら、なお結構だ。 マジックで目と口を書いてみたら、かわいい狐の顔になる。フォックスフェイスは和製英語らしいが、納得できた。...
View Article男のおむすび
2015年11月 1日 (日) 岩国市 会 員 山下 治子 今月の「男性の料理教室」は私たちが当番。近くの川土手をノルディック・ウォーキングしてみないかという提案があった。男性内からも野外活動を望む声は出るのだが、人手が要るし心配ごとも多く、なかなか実現しない。でも料理をおむすびと豚汁くらいにすれば何とかなるのではということで、試みにやってみることになった。...
View Article白川の里
今も鉄路の駅名が、バス停に残っている。先日アーカイブス「昭和のふるさと」というテレビ番組の中に、涙と共に記憶が残るオレンジ色の丸い顔した車体のディーゼルカーが出現した。当時西鹿児島駅発登りの列車で何本かは伊集院駅で切り離されることを知らずに泣きくずれてしまった、南薩線の最後の映像であった。亡き母と何回となく帰った母の里の思い出が淡く浮かび上がった。...
View Article悩み事
たった1羽だけで飛来して来たとラジオで聴いた。なんと気の早い鶴なのか、独りが好きなのか、それとも夫婦でイザコザがあったのか、とにかく今年も1便がやって来た。 鶴は家族で行動すると聞くけれど、ラジオで聴いたときから、なぜ1羽だけで飛来したのかと悩む。途中で連れ合いが事故に遭ったのかもしれない。シベリアで家族が捜しまわっているのかもしれない。...
View Article民具
「食生活から消えゆく民具」の題の講演を聴いた。講師は学生時代より民具調査をされ、学会報告されている女性の方だった。かつて実家にはザル、ショケ、ツボはもちろん、三角ナベシキ、イイナベまであった。そういえば亡くなった祖母がイイナベでお茶を煎っていた様子が目に浮かぶ。...
View Article消えた恋人
大学に入学するとすぐ空手部に入部し、精神の鍛錬に徹し、朝に夕に求道的な練習をした。2年もすると全身は引き締まり、肉体は驚異的に発達したが、何故かむなしかった。 その前兆は高校時代からあった。猛勉強して成績が良くても心底から喜べなかったのだ。...
View Article鼓川のせせらぎ
市内皷川の崖崩れの跡を見に行った帰り道、どうも迷ったようだった。先の方に交差点が見えたので行ってみると、そこは5差路になっていた。ますます分からなくなった。 そばに5人の女子高生がいたので聞いてみた。「こっへ行けばどこに出るの?」「吉野ですよ」「こっちは?」「そっちは街に出るよ」 あらまし目鼻がついてきた。「ああそうか、ではこの店は以前文房具店だったよね?」...
View Article秋が空き
秋峯さんの秋が来ましたねと言われてうれしかった。 洗濯物を干しながら見上げると、澄み切った朝空に半月が白く浮かんでいる。庭にはシュウメイギクが風に揺れ、この花をくれた友を思う。ムラサキシキブの小粒の実も鈴なりになって艶やかに光っている。電線ではキキキッとモズが鋭く鳴いた。...
View Article孫育てを楽しむ
奈良の聖地から娘婿と晩遅く帰宅。一休みして中1の孫息子の明日の体育祭の弁当を作る。買えば楽だけど、ご近所にもあげることだし。手順は例年通り。娘とおしゃべりしながら作る。場所取りは婿殿の役目。...
View Articleフェイジョア
我が家自慢の果物、フェイジョア。 そろそろ収穫も終わりです。 今年はブルーベリーもキウイフルーツも収穫が少なく、猛暑の影響かな…と、思いましたが、南米原産のフェイジョアだけは、大豊作、粒も大きく味も最高でした。 でも、そろそろ収穫も終わり…。 去年はウサギのモモちゃんが大喜びで食べましたが、二代目ココアは、ドクターの指示どおり、ペレット以外は与えないので、全然興味なし…。...
View Articleトゲ
「トゲが刺さった」と太い腕を差し出す。「どれどれ」と私は針をあぶり、チクチクと取り出す。夫は元気で働き者だった。左官職人でブロック塀や壁塗りはお手の物。こて道具を操り、その手さばきは熟練の素手のなせる技。...
View Article渋抜き
2015年11月10日 (火) 岩国市 会 員 片山 清勝 今年も渋柿をもらった。皮を剥き、軒下にぶら下げ陰干しにして干し柿にする。この作業を始めると「熟すまで待つ」という祖母の渋抜きを思い出す。 木箱に、青く硬い柿を並べ、それをもみ殼で覆い隠し、蓋をしてそのままにしておく。年が明けると祖母は蓋を開ける。待ち遠しい一瞬だ。もみ殼を除くと、赤い熟し柿が姿を現す。...
View Articleうらなり万歳
2015年11月11日 (水) 岩国市 会 員 安西 詩代 「これ、うらなりだけどおいしいのよ」とミニトマトを夫に差し出した。夏は終わり葉も枯れてきたのに、枝の先にまだまだたくさんの実が色づいている。...
View Article昭和史に添えて
武蔵野の雑木林の中で育ったぼくは、空襲で逃げ惑う恐怖は知らない。焼け野原も、死屍累々の惨状を直視することもなかった。しかし、紙一重の場所では逃げ場を失った人たちが灼熱の中で息絶えた戦争。平和であれば、戦争さえなければと、困窮の中から一歩一歩歩んできたのがぼくの昭和史である。...
View Article元気をもらう
2015年11月14日 (土) 岩国市 会 員 横山 恵子 古里近くで祭りがあると聞き、妹夫婦と出かけた。 標高500㍍から深呼吸。地域の平均年齢は82歳とか。祭りを行うにも親元を離れた子供たちの手助けが欠かせない。神楽、餅つき……。昔に戻ったにぎやかさ。空き家や荒れた田畑が多い中、稲刈りを終えた田を見るとホッとする。...
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