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Channel: はがき随筆・鹿児島
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長生きしましょうよ

 近くの田んぼも黄金色に実り始めた。通りかかると年老いた男性が声を掛けてきた。「猪がすぐ横の林にすみ着き、小さな谷を越えて稲を荒らしにやって来る。倒れた稲をスズメが食べつくす。もう手におえない」。訴えずはおれない様子だ。  腰を曲げて、働く奥さんの姿も長く見ない。「認知症が進み施設に預けた。農業経験もないのに良く働いてくれた」。涙を浮かべながら彼の話は続いた。...

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悲しき口笛

 先日テレビで見空ひばりを回顧していた。...

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夏うなぎ

 子供の頃の思い出があふれるから、夏大好き。中でも「うなぎ釣り」の場面は、毎晩のように思い出し、心地よい眠りへと誘う。  夕方、兄と一緒に仕掛けを作り、次の朝、夜明けを待って川へと走る。  「柳の木」に結んだ仕掛けがユサユサと揺れている。ヌメヌメと光る巨体に、思わず後ずさりして兄を呼ぶ。兄は慣れた手付きで、ポイとかごの中へ。...

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言葉 

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小欲知足

 出不精の私に妻が「マテガイを採りに行っては」と私の趣味心に刺激を与えた。塩、くわの道具を整え海へ行く。6年ぶりの福ノ江海岸。くわを引き、穴に塩を注ぐ。獲物は大粒で楽しいが、手持ちの塩が乏しくなった。私の様子に年配の男性が「使いなさい」と、塩を容器ごと下さった。男性のかごをのぞくと少量のマテガイがあった。...

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ナンプレ

 本紙でも人気のパズルコーナーになっている「数独」。  大人のやることに何でも興味を持つ孫の男の子も、挑戦し始めた。しかし新聞の問題は、升目が9×9の81個と多すぎて、保育園年中組には難しそうだ。簡単な問題から解かせようと、升目の少ない4×4のナンバープレースを自作してプレゼントした。最初に入っている数字も6から4個へと徐々に減らし、解き方に慣れるようにした。...

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お弁当

 「いってらっしゃい。気をつけてね」と弟にお弁当を渡すのが、母が亡くなった3年前からの私の役割だった。  疲れているように見えた翌朝は元気が出そうなメニュー。食欲がなさそうな時は食べやすいもの。考えるのは大変だったが少し楽しみでもあった。  この春、進学のため県外に出ることになった彼が「3年間おべんとうありがとう。おいしかったよ」と言ってくれた。涙が出そうになり、笑顔でごまかした。...

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母と孫の食事

 時々孫がやってくる。はいはいができるようになり、つかまり立ちもするようになった。  離乳食も始まり、孫を相手に「はーい、お口を開けて、おいしいね。いっぱいたべようね」と一口ずつ食べさせる。食べ方もだんだん上手になっておいしそうに食べてくれる。...

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アク

 みどり濃いニガゴイと、ぱっちり張ったナスを炒め、だし汁で味付けしていただく。と、ニガイこと。口の中がひっくり返りそうである。ゴボウ、ナスなどニガーイものを食べられない私にしては一大事である。...

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都井岬

5月末、ジャラカンダの花を見に「道の駅なんごう」を目指した。なんごう駐車場は、平日にもかかわらず満杯だった。 ジャラカンダは、道の駅周辺に群生し、南国日南にふさわしい青紫の花を咲かせていた。...

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忍者の住む通り

 二十数年前、年をとったら都心の方が便利と考えて熊本市の中心部の水道町に引っ越した。すると同級生が「今度のあーたが家は黒鍬通りじゃなかと?」と言ったが私は知らなかった。「黒鍬ちゅうたら忍者たいね」とうれしくなって地図を見たらやはりそうだった。「私、くノ一のお隣と名乗ろ」「あーたは運動神経が鈍かけん無理」...

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亡き義父への報告

 もうすぐ義父の一年忌がくる。生前「孫の結婚式には出たい」といっていたが、それもかなわず他界した。息子も別れのあいさつで悔やんでいた。  今年、息子は30歳になる。私も「30になるまでには結婚して」と口癖のように言いだした。息子は嫌な顔をして、「俺の問題やかい。言わんで」とひと事。それ以来口をつぐんだ。...

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赤いスニーカー

 靴売り場の前を通り過ぎようとして、素敵な色合いに吸い寄せられ店内へ。赤といってもイエローピンクの色調は柔らかな感じで優しく足を包んでくれそう。早速はいてみる。外反母趾でも楽に歩けてうれしくなる。  同じサイズでも変形した足に合う靴はなかなかみつからないものだ。一度は履いてみたかった赤いスニーカーに、やっと出会えワクワクする。...

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小さなお父さん

 「龍君、お父さんみたい?」。うっすら涙を浮かべながら私を見上げる。5歳の小さな体で、妹のベビーカーに乗りたいとも言わず、一日よく歩いてくれた。お土産店に寄った。「じいじとばあばにも買う」。自分で選び始める。「ママ、龍君お父さんだけんお土産持っとくね」。大きな袋を一生懸命持ってくれた。...

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かわいい予約

 夏休みを前に、東京の6年生から電話があった。  帰省の時、読書感想文を見てほしい、というものだった。「ママがね、早く予約をしなさい、って言うから……」の言葉に思わず笑みがこぼれた。  「予約? オーケーよ」  そう言えば、昨夏、登山の帰り、長野から中央道を走って寄った東京では、たっぷり残った彼の宿題とご対面だったな。...

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歩く姿はユリの花

 雲を通して太陽の存在を感じるというような、はっきりしない空模様のもとで、カサブランカが大輪の花を咲かせていた。そのすっきりとした顔立ちで、庭を引き立てている。今年は栄養が行き届いたせいか、花の大きさが違う。まさに「歩く姿はユリの花」である。...

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父とハンミョウ

2018年8月 4日 (土) 岩国市  会 員   角 智之  ハンミョウとの出合いは小学生の時、父から教わった。道路を歩いていると、どこからともなく飛んできて足元に降り、人の行く方へ先回りしては飛ぶのを繰り返し、不思議な昆虫だ。昭和30年代、田んぼが埋め立てられ、道路が舗装されると全く見なくなった。...

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ガイド 手紙が励みに

2018年8月15日 (水)    岩国市   会 員   横山恵子  原爆の日、ボランティアのため原爆資料館に行くと、以前平和記念公園をがイドした米子市の6年生から手紙が届いていた。どう話したら伝わるか、悩みながらガイドしているが、被爆者の方々と戦争体験者である亡父の思いが心を突き動かしている。  手紙には「家族や人をもっと大切にしていきたい」 「学んだことを知らない人に伝えていきます」...

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部活の思い出

 中3の孫娘は部活のバレーを頑張っている。応援に行くと館内は大勢の声援。緊張した6人の中に孫の背番号を探す。  おのずと半世紀昔のほろ苦い中学時代がよみがえってきた。  その頃は校庭にネットを張り9人制。放課後の炎天下に汗と砂にまみれて失敗の叱責にもひるまず練習に明け暮れていた。...

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はがき随筆7月度

月間賞に柳田さん(宮崎) 佳作は川畑さん(鹿児島)、相場さん(熊本)、津曲さん(宮崎) はがき随筆7月度の受賞者は次の皆さんでした。 【月間賞】13日「命の洗濯」柳田慧子=宮崎県延岡市 【佳作】20日「ぜいたくな時間」川畑千歳=鹿児島県垂水市 ▽26日「ツバメは縁起物」津曲久美=宮崎市...

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