
「ひいばあちゃん、じゅんこ姉ちゃん、ただいま」
私の母からみればひ孫にあたる4歳の甲高く明るい元気な声。「今日、保育園でお散歩に行って、つくしを取ってきたの。はい、これはおみやげだよ」
小さなもみじの葉のようなやわらかな手にしっかり握られた3本のつくしのぼうや。
「わあ、ありがとう。春を見つけてきたね」
3人でにっこり顔を見合わせて笑った。かわいい笑顔とかわいいつくし、かわいい春のプレゼント。うれしいなあ。
やさいい心をありがとう。かわいい春をありがとう。
出水市 山岡淳子 2016/4/12 毎日新聞鹿児島版掲載