日差しがまだ残る午後3時。散歩に出かけた。 アオキの実が赤く色づき始めている公園を後 に、枯れ草広がる田んぼ道に降りた。 先生に引率された近くの支援学校生たちと出会った。 満面の笑みで口々にあいさつしてくれる。最後尾を歩いている少年は浪曲の語り口を思わせる口調で真剣につぶやいている。自作の物語のようだ。「上手ね !」とすれ違い際に私が声を掛けた。にこにこ手を振ってうれしそうに「こんにちは」と繰り返す。屈託のない生徒たち。 やがて迎える社会がこのまま生き生き活躍できる場でありますようにと祈る気持ちだった。宮崎市 川畑昭子(77) 2021/2/27 毎日新聞鹿児島版掲載
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