上下のパンに挟まれてレタスとトマトとチーズ、ハンバーグもかなりのボリュームだ。
大口を開けてもこの厚みには敵わない。上から順に食べる事も考えたが、やまりすべて一緒にほおばりたい。
中身がずれないよう慎重に両手で持ち、指に力を入れて入念に押し潰した。「今だ」。パンが弾力で戻らないうちにかぶりつく。「あれ?」。柔らかいが食いちぎれない。なぜか目をつむっていたので急いで目を開けてみると視界は真っ白。
「えーっ」。私はベッドに居て、すっぽりかぶった掛け布団の中ほどにかみついていた。
宮崎県日南市 小野小百合(61) 2019/6/9 毎日新聞鹿児島版掲載