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Channel: はがき随筆・鹿児島
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初めての手術

 採血、心電図、麻酔と続き、手術台へ上がり目覚めたのは真夜中の2時だった。夫が元気で自活できる内に、そして私自身も体力がある内に受けた方が良いという忠告もあり、思い切って臨んだ今回の手術だ。  これから迎える老々介護を乗り越えるため、また、ひとり遺された場合の自立のための良い機会ととらえ、緊張の中にも確信に似た気持ちがあった。...

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餅まき

 子供の頃、親戚の家で餅まきがあり、拾えずにいたら、知らないおばさんが餅を1個くれた。喜び勇んで母に報告した。  師走に餅まきを検索してみる。餅を拾う好位置は中央の前方、空中よりも地面を見た方がいいとあった。上棟式には近所から数十人が集まった。...

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丸メガネ

 中学の頃から視力が落ち、以来メガネは欠かせない。仕事をしていた頃からかけていたメガネは細い銀縁に樹脂製のレンズで、軽く角張って仕事向きで少しクールだ。仕事を辞めて久しい今、なんとなくそぐわない。...

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平成時代を送りつつ

 昔、修学旅行先で観光バスのラジオから臨時ニュースが流れ、皇太子さまご婚約を知り、正田美智子さまという初めて聞くお名前に歓声が沸き起こったっけ。以来、私たちには想像も及ばないご苦労が多くあられたに違いない。...

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春の苦み

2019年3月15日 (金) 岩国市  会 員   稲本 康代  庭に立っていると、落ち葉の下にみどり色のふくらみが見えた。フキノトウ? 急いで落ち葉をかき分け、摘んだフキノトウ5個を手のひらに乗せて眺める。心が暖かくなり「春だ!」とひとり叫んでいた。...

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終活 身近なことから

2019年3月17日 (日)    岩国市   会 員   片山清勝  両親と遠く離れて住んでいる知人が、父の死後、残された母へ引き継ぐ手続きで苦労したと聞いた。そのことから、私も終活として、妻を置いて先立つ前提に整理を始めてみた。...

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妹からの入退院連絡メール

2019年3月18日 (月)  山陽小野田市 会 員   河村 仁美   「突然ですが、今日から1カ月あまり入院します。来てもらっても対応できません。先の事はまだわかりませんが、治療に専念しようと思ってます」というメールをよこし、妹が入院した。...

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ぬくもりの手を

 病院のロビーで薄汚れた服に、伸びた髪がいささか匂う。老人の男性が車いすに掛けて、なんだかもたついている。傍らからそっと声をかけると、降りたいが足が地に着かない。困った様子だ。...

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朝ドラ効果かな?

 朝、新聞を読んでいた主人が「今、チキンラーメンが最高に売れているんだと」と言った。毎朝、朝ドラを見るのが日課の我家。今はラーメン開発話の「まんぷく」だ。「ヘェーすごいね」と返した私。その日の買い物に行った店先に偶然か即席麺が山積みにされ売られていた。私はためらいなくチキンラーメンを手に、もちろん昼食はそれにした。卵を落とし、熱湯を注ぎ、ふたをする。3分待つと芳ばしい香りが食をさそう。...

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春風の誘惑

 映画解説者、リリコさんの笑顔がテレビ画面に踊った。  70歳を過ぎて娘たちに連れられていく映画のとりこになった。今は体力が落ちてDVDの映画を楽しんでいる。サウンド・オブ・ミュージックや駅馬車などは映画館で余韻までも感じたい。  前回の東京オリンピックの頃はいなせなカウボーイで、今は大監督のクリント・イーストウッド。監督と主演の映画が3月に公開されるとのこと。すごーい。御年88歳。脱帽です。...

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思い出残り

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胸のうち

 某月某日。県県から息子が帰宅の予定。待てど待てどコールなし。電源は切られ通じず。「アアまたか」。私のつぶやき。それでも胸のモヤモヤ静まらない。なぜひと言、現在地を伝えない。待つこと数時間。私の心配性が頭をもちあげ、悪い流れに心は支配される。アア、なんでこんな大人になった。  親の心知らず、本人は友人とドライブ。今日はしゃべりすぎてつい遅くなったとの弁。...

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ジャカランダの花

 宮崎市の平和台に20年あまり住んでいた。私たち家族には実り多い古里のようなものである。先日、雑誌に美しい花の写真を見て懐かしさに声を上げた。その思い出は淡い紫の花で、山肌に覆いかぶさるような大木で壮観としか言いようのない見事な景色だった。亡き夫に見せてやりたい一心で育ててみることにして、早速南郷町の道の駅に注文。枯れ木のような苗が届いた。「太陽と水が好きです」。優しい女性の声に励まされた。...

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亡き母の味思い出す

   岩国市   会 員   横山恵子  先日、近所の人に手作りこんにゃくを差し上げたら「あんたのお母さんによくいただきました。こんにゃくを見ると思い出すわ」と言ってくれた。  叔母から毎年コンニャク芋をもらうので、母は生前手作りしては知人にあげていた。晩年の20年余り、私とは同居していた。母が作るのをそばで見て、覚えたのは幸せだった。...

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よそいき

2019年3月23日 (土) 岩国市  会 員   貝 良枝  「28日に保健師さんが来てよ」と母に伝える。「28日?」。確認したって覚えていられないのに。...

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春、うふふ

 雛祭りの宵、街に薄明りのぼんぼり、そぞろ歩きの人々、お城のライトアップが幻想的。  ご馳走を頂きながら、ジョッキのナマをくぃーっと飲む。「あー美味しい!」しばらくして、異変。くらっとしてきつくなった。初めての様子に自分の事ながら驚く。娘から「急ピッチだからよ。年を考えてね」と叱られた。ごもっとも、私68歳。忘れてた。  翌日、孫たちのコンサート。九州に越して2年、2人の成長に目が潤む。...

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赤ちゃん

 ご近所に待望の赤ちゃんが誕生し、久々に生後3カ月の男の赤ちゃんに面会できた。  なんと可愛い赤ちゃん。ちょっとだっこさせていただきたいが、ちゅうちょする。卒寿過ぎたしわだらけのばあさんにどんな反応があるだろう。...

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うれしい会話

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改元の夜

 昭和最後の夜、夜勤だった。テレビ回線の中継の仕事をしていた。中央から流れてくる番組は歌やお笑いがなくなり、シリアスなものばかりだった。激動の昭和史や銀座からの中継。ビル7階の職場から見た宮崎の市街も、ネオンが消え暗かった。...

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3年たちました

 新婚の息子がヨルダンに転勤になり、不安いっぱいで見送った。そして3年。4月に任期が終了し帰ってくる。2人が4人になって、と言っても1人はまだおなかの中。秋に生れるそうだ。中東情勢は落ち着かないが、老眼も進み世の中が見えづらい市井のばあ様には、息子の無事な帰国だけが関心事。...

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