免許状のありがたさ
満68歳時、小学校教諭免許状を取得した。その後、免許状が生かされ、算数TT・初任者研修指導教員の職務に就く。思いもかけぬありがたき出合いで、小学校教育課程も研修できた。 満74歳時、学習ボランティアと合わせて小学校非常勤講師(年間11日勤務)として、今年3月まで勤務できた。この3年間も同僚のアドバイスを受け中味の濃いものを味わえた。...
View Article韓国岳登山再開
えびの高原(硫黄山)の火口周辺警報の引き下げで、韓国岳登山道の規制が解除された。 半年ぶりの解除を知り、帰省した娘夫婦と早速登山をした。慣れ親しんでいた登山道は妙に懐かしかった。山の木々は鮮やかな新芽を吹き、ウグイスの鳴き声が騒音のない静けさの仲に響き渡っていた。...
View Articleビルグムイの浜
現地の人でも、その名前と場所を知っている人は少ない。 道路わきに茂っているアダンの木をくぐり、ごつごつした岩場を下ると、その秘密の浜辺はあった。リーフの先には群青色の海が広がっている。引き潮でないと現れない浜辺。山に囲まれて育った私たちは、いっぺんで魅せられた。 貝取り、貝殻拾い、ガスボンベ持参のイセエビのみそ汁の味。そうそう、瑕ひとつない大きな浮玉も見つけたなあ。...
View Articleザクロに花
4年前、植木市で買ったザクロ。鉢に植え、昨年は三つの花が咲いたのに、ラジオ体操のときに手が触れてちぎれた。 昨年の梅雨明け、庭へ移して活着したのに、時が来てもなかなか蕾が見つからない。「ワタシがちぎったとカン違いして、ザクロが怒ったらしい」とやや焦った。 すると2.3日前、小さな蕾を枝先に見つけた。「よかったー。時が来たのだ。よかったー」とうれしかった。...
View Article月間賞に門倉さん
はがき随筆4月度 はがき随筆の4月度の入賞者は次の皆さんです。 【優秀作】4日「ユーモア礼賛」門倉キヨ子(79)=鹿屋市串良町 【佳作】 2日「親の心子知らず」伊地知咲子(78)=鹿屋市打馬 6日「スマホ春愁」清水昌子(62)=出水市明神町 「ユーモア礼賛」...
View Articleあの人と私
薄墨色のサギが川べりで川面を見ている。猫に呼びかけるように舌を鳴らして「お魚さがしてるの?」と声をかけらた「猫じゃあるまいし」と言わんばかりに飛んでいってしまった。 ウグイスが林で発声練習をしている。「きれいな声ね」と褒めたら「でしょ、でしょ、でしょ」と、さえずること。一生懸命さがかわいくて、おかしくて相手をしていたら、あの人に置いていかれた。...
View Article初めから仏には
2015年5月19日 (火) 岩国市 会 員 貝 良枝 仕事の帰り、1人暮らしの母の家に寄る。今は妹が掃除や食事の世話をしているので、薬を見て世間話をして掃るだけ。 妹は時々、母の行動や言葉にイライラして「まー腹がたつ」と私に愚痴る。「まあまあ、怒っても、お母ちゃんはすぐ忘れるんだから、カッカするだけ自分がエライよ」と諭す。...
View Article豪華付録つき
小3の長女が通信教育を始めて3年目。飽きっぽいが、付録や賞品のお陰で続いている。 8月号の付録の紹介を見て驚いた。デジカメだ。以前届いた、自然観察用のスコープと合体できるという。 問題を提出して、シールを集めると交換できる努力賞賞品も、携帯用音楽端末だ。現代っ子は、ここまでしないと魅力を感じないのか。教材会社も大変な時代だ。...
View Article磯の幸
磯が呼んでいるような気がした。5月1日。大潮で、運良く天気も良かった。 急いで出水市蕨島の磯へ向かう。磯は、まだ引き潮の最中。波打ち際にはアオサと思われる海藻が波に揺れている。つーんとくる磯の香りを嗅ぎ、妻の手作り弁当を食べるとうまい。やがて大小の岩が現れる。...
View Articleはがき随筆大賞に森園さん
第14回毎日はがき随筆大賞の表彰式が30日、北九州市小倉北区のホテルクラウンパレス小倉であった。大賞に鹿児島県鹿屋市、森園愛機遅参(94)の「愛妻」(昨年8月9日掲載)が選ばれた。...
View Article聞きたくて…
おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先きゃおらんと 盆が早よくりゃ 早よもどる この唄を山あいの五木村で聞きたくて、「五木のふるさと新緑祭り」にでかけた。 子守唄保存会の方の情感のこもった歌に悲哀を感じる。 口減らしのため、子守奉公にだされた娘さんの心情がせつない。帰宅してからも、しばらくは歌詞が頭から離れず目頭が熱くなる。...
View Article猫の恩返し
その夜難問を抱えた夫婦は落ち込んだまま就寝した。猫のイークンはそんなことにお構いなく、いつものように早朝4時に「外に出るよ」と起こしにきた。そして6時には「おなかがすいたニャーン」。エサを与え、入ってきたガラス戸はロックせずに閉めて寝る。満腹になればまた自分で開けて外出だ。...
View Article3分間だけ
スーパーのレジ台に買い物カゴを置いたその時、鮮魚売り場からのアナウンスだ。 「3分間だけ10%引き」。とっさにカゴをカートに戻し鮮魚コーナーへ直行。 こんなときにはなぜか素早く動けるものだ。足早に行った先には人の列。その後尾に並ぶ。「3分間だけ」とあって一斉に駆けつける人の気持ちはみな同じなのかもしれない。 その日私は普段より多くの鮮魚品を買い求めていた。...
View Articleバスガイドさん
山桜が咲く頃と、妻の謎かけに応じて鹿児島の城山へ来た。 木々の芽吹きで葉がひらひらと舞い落ちる中を観光バスが上がってきた。紺の帽子、紺の制服のガイドさんが、団体客に手を振り、笑顔で説明している。...
View Articleすばらしきかな
私は今、ホテルクラウンパレスにいます。「毎日はがき随筆大賞」が終わり、大賞の発表を待つばかりです。辛口批評の村田喜代子氏が誰の作品を選ぶのか、会場が静まっています。...
View Article光源氏の恋
当時の私は、さながら光源氏が恋しい女性の元へ通うように、その事を断行したのであります。ざっと半世紀も前の中3の放課後。二つ隣のクラスの好きな女子の教室へ、天井裏伝いに友人と侵入したのでした。「聞こえる聞こえる、いとおしい声が……」。そう思った瞬間、ズボッ!...
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