「じいちゃんとばあちゃん、どっちが先に告ったの」と小3で腕白坊主の孫が聞いてきた。
思えば地元の高校から地元へ就職し、初めて現れた男性の求婚に、当然のごとく首を縦に振った。結婚生活は、母と5人の下宿生との同居から始まった。
当時は世間知らずで、世の男性は皆、父や兄たちのようと思っていたが夫はまるで宇宙人。妻として、嫁として、母として地域の一社会人として必死に働き生きてきた怒涛の40年は、振り返ってみれば一瞬である。
きらきら笑顔の孫に、動揺を隠し「じいちゃんだよ」とそっけなく答えた。
出水市 塩田きぬ子 2016/6/15 毎日新聞鹿児島版掲載
思えば地元の高校から地元へ就職し、初めて現れた男性の求婚に、当然のごとく首を縦に振った。結婚生活は、母と5人の下宿生との同居から始まった。
当時は世間知らずで、世の男性は皆、父や兄たちのようと思っていたが夫はまるで宇宙人。妻として、嫁として、母として地域の一社会人として必死に働き生きてきた怒涛の40年は、振り返ってみれば一瞬である。
きらきら笑顔の孫に、動揺を隠し「じいちゃんだよ」とそっけなく答えた。
出水市 塩田きぬ子 2016/6/15 毎日新聞鹿児島版掲載