

朝起きて縁側のカーテンを開けたら、クジャクサボテンの大輪が目に飛び込んできた。カミさんが朝食の支度をしている間に、カメラを持ち出した。テープルの上からデカ猫イークンが「ボクを写すのかい」というような顔をして「ニャーン」。
「残念ねえ、クジャクサボテンがしぼまないうちに撮るんだ」。イークンは納得したのか前足にあごを乗せて目をつぶった。鉢の向きを変えたり、移動したりして撮りまくった。「いい写真が撮れたぜイークン」と声をかけたが彼は知らん顔。そんなところをパチリ。こうして2人と1匹の一日が始まった。
西之表市 武田静瞭 2016/6/12 毎日新聞鹿児島版掲載