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Channel: はがき随筆・鹿児島
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春もよい

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 目の前のテレビは今ついていない。その先の壁の板の節がくっきりと目に飛び込んでくる。
 2年前に亡くなった一つ年下の叔父が、白アリにやられてリフォームを頼んだときに、この部屋は板で天井と壁を葺く方がいいと勧めてくれた。壁の節の多い板材がえも言われぬ味わいを醸し出している。その横には二十で購入したセパレートステレオの旧スピーカーを鎮座させている。良い眺めである。そのほかにピアノと2点の絵画。落ち着くなあ。この情景は、いつまで続くのだろうか。
  いちき串木野市 新川宣史  2016/3/28 毎日新聞鹿児島版掲載

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