Quantcast
Channel: はがき随筆・鹿児島
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2762

父からの年賀状

$
0
0
 父の24回目の命日がやってきた。今の私と同じ67歳で逝った父のあの日は鮮明に覚えている。家族の誰もが信じられない出来事だった。急性心筋梗塞で、あっけない旅立ち。早々に年賀式を投函し、孫たちのお年玉用新札まで用意していた。きちょうめんな人だった。 元日に、父からの年賀状が届いた時、私は泣いた。独特の筆跡に涙があふれ、この世にいない現実が悲しく、切なかった。 寡黙な人だったが、愛情はたくさんもらったと実感できる。 父がいつも見守っていてくれる……。そう思うだけで、元気が湧いて明るく頑張れる。 宮崎県延岡市 品矢洋子(67) 2022.1.3 毎日新聞鹿児島版掲載

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2762

Trending Articles