Hさんの訃報を聞いたとき、「やはり」と思った。 Hさんは奥さまを亡くし永年の一人住まい。その上、東京に住む息子を新型コロナで失っていた。最近は、買い物のため外出するほかは、何をするでもなく、ぼんやりと過ごすことが多かった。 熱中症を心配して電話したことがあったが、そのときは「エアコンを入れているから」といつもの声が返ってきた。 Hさんには、家も年金もあり、経済的に困ることはなかったが、家を離れず、誰の手助けも受けず、奥さまと息子のもとへ旅立っていった。 熊本市北区 岡田政雄(73) 2021/4/10 毎日新聞鹿児島版掲載
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