深々と冷え込んだ夜、寝る前にお風呂に入る。今夜は「ゆずの香り」にしようか。 ぶくぶくと泡が立ちゆずの香りが漂う。 洗い場で震えていた 体を湯船にゆっくりと沈める。チクチクチクと皮膚を刺激するお湯。ぐっと首までつかる。そして、「ごくらく ごくらく」と呟く。 「おじいちゃんのごくらく」という本の読み聞かせで、「ごくらく」って知ってる? と園児に問うと「うん、お肩をトントンすること」との答え。働いている親世代のつぶやきかな。 お風呂が一番「ごくらく」だと思える年になった私である。 熊本県宇土市 岩本俊子(71) 2021/2/13 毎日新聞鹿児島版掲載
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