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Channel: はがき随筆・鹿児島
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へびと出合う

 散歩中、細い土の道にさしかかった。すると目の前に1㍍くらいのしまへびが道の右側をふさいでいた。全身に鳥肌が立つのが自分でもよく分かった。...

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真剣な二人

 ちょっと弱ってきた母の見舞いに小3のひ孫がこの頃始めた手品を見せてやろうと思った。  今回の母は、ひ孫をすぐに思い出せないようだった。いつもの曽祖母の雰囲気とは違ったなかでひ孫は手品をはじめ、一つ終わるごとに「どう?」と聞く。  しかし、母はひ孫の手品は見らずに、真剣な顔だけを食い入るように見詰め続けている。真剣に手品をしてくれるこの子は誰なのか思い出さそうとしているような真剣な母の目である。...

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いつまで

 小2の孫よりLINEが来て3カ月。名古屋が近くなった。  折にふれ私にきいてくる。好きだったおやつや野菜、どんな遊びをしたか、図書室の本や習い事等々。最近は「わたしね、水泳あるんだ。泳げないから嫌だなあ。おばあちゃん小学生のとき、何泳ぎが得意だったの」と。実は泳げない私。日置市の山あいの学校にプールはなく、夏休みに近くの川をせき止め水遊びをした。夫も「川で泳いだ」と懐かしそう。...

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とんぼ

 子供の頃、友達と水田の中でオニヤンマを追い掛けた。彼は小学校の同級生、5月に大手レコード会社からCDデビューをした。その中の「夢とんぼ」を聴くと、当時の母校が懐かしくよみがえってくる。  私は親戚から極楽とんぼと呼ばれる。好きなことを気兼ねなくやっているからだろうか。浮世離れしているとも言われる。50代で始めたマジックと川柳は生活の一部となり、新たな出会いと感動を楽しんでいる。...

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私の母

 「バキッ、パキッ」とハサミの音がハウスの中に響く。アスパラガスの最盛期を迎えた叔父の畑だ。日中を避け早朝と夕方に作業をする。母は一手に引き受け、黙々と収穫している。  若くして結婚、離婚を経験した母は私と妹を育てるために仕事漬けの日々。私も妹も母は家にいないか、寝ている人だと思っていた。...

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頑張れ!

 大相撲名古屋場所は、4大関の休場という、異例の場所となった。その中で、ファンを喜ばせているのが小兵力士の活躍。炎鵬関の、さっと相手の下に潜り込み勝つ技にはアッと驚く。  最近は耳や目を覆いたくなるほど暗いニュースが多い。そんな中にあって、爽やかな風が一瞬吹きぬけて行った気がする。...

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お盆のテスト

 お盆の月が来ました。私一人のお盆のテストが始まります。それは盆提灯の組み立てです。今までさらりと出来ていたのに。今はアレ、コレドコの連発です。説明書を虫眼鏡で確かめ一つ一つ丁寧に作り始めました。...

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S病院で 

 どしゃぶりの雨の夕方、S病院に駆け込んだ。「先生、一日中頭がボーッとして圧迫感があり気分が悪い……」と訴える私にその医師は「舌を出してごらん」そして横向きにされ、やおら肩に手をやりもみながら、「首、肩の凝りだね。運動をしなさい。ストレッチでもいい。マッサージを受けなさい。お風呂も一日置きに入りなさいね。薬はありません。ハイ、終わりです」。ポンポンと歯切れのよい言葉の十数分で診察が済んだ。...

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故障車の修理

 午後6時半、夫は夕食後、制服に。梅雨は明けたが、蒸し暑く、体が火照る。今日も、自習監督に行くから「自分との戦い」と励まし、準備を手伝う。...

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糠と粕

 雨の朝は目覚めが遅い。今日は出かける予定もないし、ゆっくり過ごそうと、遅い朝食をとる。温野菜のサラダをたっぷり。豆腐の味噌汁、たくあん、白米を混ぜた玄米ご飯。圧力釜で炊いた玄米はもっちりしておいしい。よくかんで、糠をかぶった粒のプチプチ感を味わう。...

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使いこなす?

   四季折々に何らかの花が咲くように亡夫が植えてくれている庭。今だとキキョウ、ユウスゲ、アジサイの花をスマホで写してラインで送る。おばあちゃん上手に使いこなして! と姪がメールで褒めてくれるし、友人は家中で孫たちも楽しみにしていると電話をくれる。...

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国の為に死ねるか

 昭和20(1945)年、太平洋戦争末期になると一億玉砕こそが勝利の道と言われるようになった。私も一応、軍国少女のつもりだったが死ぬことがどうしてお国の為になるのか、その為にどうしたら良いのかがさっぱり分からなかった。うろうろと覚悟はつかず、ただ私の人生は15年で終わると思っていた。...

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絵葉書

 5月末、学生時代の女子寮の8人が千歳に集合して小樽、旭川を巡った。散策の途中で休みコーヒーを飲みながら絵葉書を書いた。小樽の街で投函した。  旅の疲れが取れた頃に福岡の友から電話がきた。葉書が届きうれしいとお礼の声。10歳上の彼女とは社宅からの付き合いだ。年々、電話で体調不良や認知症の心配を訴える事が増えた。年末に電話した時にはがきを書いて頂戴と頼まれた。軽く返事したものの年賀状止まりだった。...

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大きくなあ-れ

2019年7月30日 (火)    岩国市  会 員   横山 恵子  「えっ、この桃作ったの?ワー感動した」と友に言われ、心の中で「ヤッター」と叫ぶ。桃の木を植えて十数年だが、満足になったのは数回のみ。今年こそはと思ったが、またもアブラムシの被害。思い切ってそれらの枝を処分した。...

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夕立ちはどこへ

2019年7月31日 (水)      岩国市  会 員   角 智之  子供の頃、夏休みになると毎日のように川遊びに興じた。 宿題もそこそこにいとこたちと遊んでいると、急に空か真っ暗になり、大粒の雨が降り始めた。川の近くで大工をしている叔父の家へ避難すると、激しい雷が鳴り始めた。...

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アイスキャンディ

2019年8月 2日 (金)     岩国市  会 員   吉岡 賢一  瀬戸の夕凪と言われる暑い夏の夕暮れは、あのアイスキャンディの素朴な昧を思い出す。...

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父の話重なる赤い絵

     岩国市   会 員   片山清勝  5日付広場欄で広島の高校生が描いた原爆の絵に関する投稿を読み、入市被爆した父の話を思い出した。 父は原爆が投下された日、業務連絡で広島へ自転車で赴いた。惨状を目にしたはずだが、聞いても語らなかった。ただ一つ「防火用水に人も犬も頭から漬かって亡くなっていた」と話してくれた。その話はモノクロで記憶していた。...

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ハプニング

2019年8月 9日 (金)    岩国市  会 員   森重 和枝  おいの結婚式に姫路まで行った。帰りの新幹線の中でのことだ。途中から、若い外国人男女10人が乗ってきた。その中でも年若くみえる女性3人は、通路を行ったり来たりしていた。...

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畑仕事の親睦

2019年8月11日 (日)    岩国市   会 員   片山清勝  100坪ほどの畑で月1回、十数人の仲間と汗を流す。朝から昼まで、運動不足の私もくわや鎌を手にする。草抜きでしゃがみ、自然と腰を鍛えている。 予定の作業が終わると昼食だ。手作りの食卓に手作りの差し入れ弁当が並ぶ。皆、思い思いにいただく。きれいになった畑を眺めながらのにぎり飯や家庭料理は格別である。...

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平和歌う舞台に感涙

2019年8月12日 (月)    岩国市   会 員   横山恵子  平和をテーマにした創作ミュージカル「I PRAY 2019」を広島市内で見た。 原爆犠牲者を悼む黙とうに続いて開演した。3歳から大人まで約30入が仲良く暮らす日々から始まる。それが突然の原爆によって一変し、みんな心身共に深く傷ついた。その地獄から立ち上がり、平和を願う・…...

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