みきこばあちゃん
「みーちゃん、みきこばあちゃんと呼ばれるその日まで元気で生きるんだよ!」。20歳になったばかりの一人娘に私はしょっちゅう声をかける。たまにはギュッとハグをして……。...
View Articleはがき随筆3月度
はがき随筆の3月度月間賞は次の皆さんでした。 【月間賞】21日「ドラマは続く」鳥取部京子=肝付町新富 【佳作】17日「羽ばたき」山下秀雄=出水市西出水町 ▽22日「おにぎりの日」堀之内泉=鹿児島市大竜町...
View Articleあれから10年
散歩するぼくを必死に追ってくる子犬、降り切れず車で元に戻せばと帰宅すると、宝物が飛び込んできたような妻の笑顔である。遼太郎と命名。欠かせぬ存在になってゆく。縫いぐるみのように眠っていたかと思うと、靴を持ち出してかんでいる。そんな遼太郎にも予防接種の時が来る。犬種、生年月日となると困惑するしかない。...
View Articleワサビの花 春味わう
2017年4月23日 (日) 岩国市 会 員 角 智之 ワサビは、古くから根茎をおろし金ですりおろし、刺し身の香辛料として広く使用されている。 年末から早春にかけて収穫される茎や葉は、しょうゆや酒かす漬けなどに利用されている。 春が旬の花も、しょうゆ漬けがうまい。花茎は肥えて歯応えがよく、上品な辛みは食欲をそそり、酒のさかなにも重宝される。...
View Articleカタイもんそ
ふるさと暮らしを始めて気づいたことは、日常会話からかごっま弁が失われつつある。ある紙面に「方言の継承へ」、生の方言を耳にする機会が減少したことが、方言離れの主な要因であるとの分析の記事。小学生の頃「方言は使うな」と教えられていたが、方言丸出しの日常だった。今時々、公民館講座などで年配の方に「ツダ チタ イタカ チンタカ アマメ ドベ トモレ サンニヨ ハマ……」、こん意味は何?...
View Article健さん追悼展
北九州市立美術館分館で催された高倉健追悼特別展へ。入った途端、壁、天井の6面のスペースに「網走番外地」「昭和残俠伝」の予告編が渦巻くように映し出され,ドスを片手の健さんが迫ってきた。展覧会はデビュー作から遺作となった「あなたへ」まで、205本の名場面を会場に投影するのが目玉。...
View Article川内川の話
3月13日、「川内川と人々」という題で話をした。場所は「はがき随筆」の総会や研修会がよくある、キャンセビルの会議室。聴いてくださる方は、約40名だった。 私は、何に焦点を絞ればよいのか不安だった。川の流域で取れる米の量や、文化と歴史。カッパと間違えられたというアカショウビンやトラツグミの声などもテープに録音して聴いてもらった。 会の後の質疑では、河口付近の原発の温排水などが多く話題になった。...
View Articleおや? まあ?
大相撲春場所は、19年ぶりに日本人横綱、稀勢の里が誕生し盛り上がっている。 風説に便乗しテレビ観戦中に、妻が「あの人、義父さんに似ている」と声をあげた。西方花道沿いの前方に、一回忌を過ぎたはずの父? が映っている。...
View Articleありがとう
夕飯を孫娘と一緒に囲んでいると、早くお茶を飲みなさいと、口では表現しないが目で大人じみた合図をくれた。夕飯のメニューはイチゴサラダ。焼き魚、おみそ汁、デザートにリンゴケーキ。後でキッチンに自分用の食器を運んだ。...
View Article「山」を登る
初めて合田雄一郎を見たのは、映画「マークスの山」だった。白いスニーカーを風呂場で無心に洗う刑事である。 奄美に出張した11年前、宿で機内で文庫を貪るように呼んだ。巻末に「文庫化するに当たり、かなり手を入れた」とあり、初版本が欲しくなった。程なく古本市で見つけて即購入した。...
View Article平安の姫君
今、私は鹿児島市のY病院にいる。大けがで搬送されたのだ。私の平安の姫君的生活が始まった。今までなにも考えないでちゃちゃっとやれていたことが、何一つできなくなった。半径1㍍だけが、私が一人で動ける範囲。冷蔵庫のお茶も取れない。ベッドから落ちたペンも取れない。誰かの介助なくば、生きることができない。...
View Article流石
ある日、左の脇腹に鈍い痛みを感じた。生きていればこんなこともあるかと気にしないようにしていたが、だんだん痛みが中央寄りに移動して恥骨のあたりまで来たとき、居ても立っても激痛、あ、尿道結石、病院と思ったが、ふとテレビで見た残尿を流す方法を思い出し、試してみた。数回繰り返したときポトリと音がした。見ると1㌢弱の細いハート形の物体があった。...
View Articleペンクラブグランプリ
ペンクラブ鹿児島の総会は16日、鹿児島市内で開催され、ペンクラブグランプリの表彰式がありました。 2016年のグランプリに選ばれたのは、本山るみ子さんの「2人でお茶を」です。 二度目のグランプリ受賞となった作品は、歳月を経た、大人の恋を描いた味のある作品です。
View Article花見
世は浮世につれても花見は不変である。さて甲突川での花見は雨による会場変更でカラオケになった。川岸の桜を見るために周辺に足を運んだ。開花宣言は出されたが、まだ三分咲きの状態であった。 それにしても桜を見ていると、儚い運命を感じるのは自分だけであろうか。特攻隊員として敵艦に突入した若者は、いかなる夢を持っていたのだろう。儚の字は人が夢を持つイメージである。...
View Articleあの橋で…
「あの、ウェストミンスター橋て゛テロ?」。信じられなかった。ビッグベン、国会議事堂の目の前。テムズ川かにかかる大きく、長い橋。バッキンガム宮殿、ロンドンアイなども歩いて行ける距離にある。ロンドンの中心部。...
View Articleもうだいじょうぶ
この3月に保育園を卒園した男の子の孫が一人で我が家に泊ることになった。泊れそうで泊れなかった前回から久しぶりのチャレンジだった。 同い年のいとこも泊るので喜々として床についたが、眠れない孫は0時を過ぎた頃「帰りたいよ」と泣き出した。私は途方に暮れたが、孫を抱きかかえて待つしかすべがなかった。やがて泣きつかれた孫は小さな寝息を立てながら眠り、時折私にしがみつきながら朝を迎えた。...
View Article親バカ歴史
指宿から鹿児島市吉野に転居した娘家族に温度計を贈った。室内外の気温を同時に知ることができる。「吉野の冬は寒いと思う。1歳半のユキ君にカゼを引かせないようにね」...
View Articleモモ
東京暮らしの長かった姪が、ホーランドロップの耳たれウサギを連れて帰って来た。 真夏の引っ越しとなり、鹿児島の暑さは高齢のモモへの負担が大きいだろうと、春から我が家で預かることになった。 ペットのウサギなんて! と思っていたバアバに、モモは、なでて、なでて、抱っこしてと、すり寄ってくる。嬉しいときは横っ跳びで喜びを表現する愛らしさ……。...
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